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2008年8月

2008年8月18日 (月)

公共ホール音楽活性化アウトリーチ・フォーラム事業 高知セッションプレシンポジウム開催

 7月3日(木)、今年度2つ目のアウトリーチ・フォーラム開催地となる高知県で、シンポジウムが開催されました。
 会場はアーティスト研修予定会場の高知県立美術館。アウトリーチ・フォーラム公演事業実施予定の市町村担当者をはじめ、県内の公共ホール職員や小学校教諭等がご参加くださいました。

◆◆内容◆◆
(1)開会の挨拶
(2)講演「アウトリーチ活動のすすめ~公共ホールが行うアウトリーチ活動の今~」
  講師・・・津村卓(地域創造プロデューサー)
(3)公共ホール音楽活性化アウトリーチ・フォーラム事業について
  講師・・・箕口一美 氏(公共ホール音楽活性化事業コーディネーター)
(4)デモンストレーション~アクティビティ実演~
 アーティスト・・・「Brass Soul金管魂」(金管五重奏、H19年度富山セッション参加アーティスト)
(5)アーティストトーク~実施担当者を交えて~
   進行・・・箕口一美 氏
   アーティスト・・・Brass Soul金管魂(秋宗章太 氏、菊地大輔 氏)
   過去のフォーラム実施担当者・・・岩崎証意 氏(財団法人富山県文化振興財団)

 高知セッションは2009年の1月から3月にかけて実施されます。高知県立美術館でのアーティスト研修、土佐清水市、須崎市、香南市野市町、佐川町、本山町、いの町の6市町で公演事業の後、締めくくりのガラコンサート(3月1日)を高知県立美術館ホールで開催予定です。参加アーティストは弦楽四重奏、ピアノ三重奏、サクソフォーン四重奏の3組のアンサンブルです。

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公共ホール音楽活性化アウトリーチ・フォーラム事業(津山市)

   7月2日より公共ホール音楽活性化事業アウトリーチフォーラム事業の2クール目が始まりました。他グループより一足先に木管五重奏団MINTOは岡山県津山市でアクティビティ&コンサートを行ないました。

初日の午前中は田園風景が広がり、「男はつらいよ」の撮影でも使用された木造の駅舎近くに位置する清泉小学校でアクティビティを行ないました。午後は昨年吹奏楽コンクールで県代表に選出された鶴山中学校吹奏楽部を訪ね、アクティビティの後はクリニックを実施。吹奏楽部員より手話付きのすてきな歌のプレゼントもありました。

2日目の津山市中心部の東小学校では、子どもたちが思い思いの楽器の前で演奏を聴けるようにと新しい手法に挑戦し、MINTOのメンバーは教室の隅々に散り、演奏しました。午後は旧勝北町の小学校3校が学区となっている明るく開放的な新築校舎の勝北中学校1年生を対象に実施。少し大人な中学生相手に緊張しつつ、人生の先輩としてトークに素敵なアドバイスも混ぜました。

アウトリーチ最終日となった3日目の大崎小学校では5、6年生とともに給食を食べ、交流を図った後、最後の訪問先となる新野小学校へ。4年生からはMINTOのメンバー1人1人の特徴を捉えた似顔絵のプレゼントがありました。

4日目には地域交流プログラムが行なわれ、岡山県の郷土伝統的工芸品、横野和紙作りを体験。

域の伝統文化に触れ、津山の魅力を満喫した1日となりました。

コンサートでは1日早い七夕ライブと題し、七夕にちなんだ曲も披露。前回訪れた勝央町のお客様も来場して下さり、久しぶりの再会を喜びました。

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2008年8月11日 (月)

地域創造フェスティバル(8月5日~7日開催)

8月5日から7日までの3日間、東京芸術劇場の会議室・リハーサル室を会場に「地域創造フェスティバル」を開催しました。この催しは、昨年度まで開催していた「公共ホール音楽活性化支援事業」の登録アーティストによるプレゼンテーションを、財団事業をより広範に紹介するプログラムとして大幅にリニューアルしたものです。多くのアーティストにご協力いただき、3日間で全国から公共ホールの職員、自治体の文化行政担当者など延べ約500人の方が集い、大盛況となりました。関係者の皆様には心からお礼申し上げます。

●アーティスト50組がプレゼンテーション

 今回のフェスティバルで主に紹介されたのは、「公共ホール音楽活性化事業・同支援事業(以下、おんかつ)」(*1)「公共ホール現代ダンス活性化事業(以下、ダン活)」「財団助成事業」の3つです(詳細プログラムは下記表参照)。
 おんかつ関係では、アウトリーチ経験の豊かな支援事業登録アーティストと「アウトリーチ・フォーラム事業」(*2)に参加したフォーラム・アーティストの総勢50組が実演しまた。アーティストのプレゼンに加えて、おんかつ事業によって出会ったアーティストと公共ホールの共同企画による親子向けコンサートやオリジナル・アンサンブル・コンサートの企画提案もあるなど、多彩なプレゼンテーションになりました。
 また、セミナーでは入門編だけでなく、地元の伝統芸能とのコラボレーションやオリジナル音楽劇のプロデュースなど、おんかつへの創造的なアプローチを考えるための応用編も企画され、多くの受講者で賑わっていました。今年度は19組のアーティストが31カ所で支援事業を行う予定ですが、こうした支援事業への参加を考えている担当者の新たな試みを模索している姿がうかがわれ、頼もしい限りでした。
 こうした創造型企画を各地で実施してきた能祖将夫コーディネーターは、「ちょっとしたことを拾ってその地域のオリジナルとして形にしていくのが醍醐味だ。そのためにはベースとしてアーティストと地域の担当者の信頼関係が必要。別にオリジナルでなくてもいいが、地域の人たちが喜んでくれるというのが実感だ」と話されていました。
 ダン活関係では、すでに今年の1月に登録アーティストによるプレゼンテーションが行われましたが、今回のフェスティバルでは、特におんかつ関係者にもダンスのワークショップについて理解を深めてもらえればと企画されました。学校でのワークショップに定評のある山田うんさん、西成のホームレスとのワークを始めた砂連尾理さん、人の動きからムーブメントを拾うワークショップで作品づくりをする北村成美さんと、実力派のアーティストが実演を行いましたが、参加者からは、「もっと難しいものかと思っていたが、自分の中にあるものがすべて外に出てくるような感じでとても楽しかった」という声が上がっていました。
 佐東範一ダン活コーディネーターは、「初めて会った人と一緒に立って動くだけで仲間になったような気がする。人と人が知り合うというのは、言葉で説明しないとできないことではなくて、触れ合うことで伝わる情報もある。身体から発する情報量についてこれまであまり意識しなさすぎたのではないか」と、ダンスに象徴される身体表現の重要性について指摘されていました。
 財団の事業説明の一環として、特に昨年実施した「地域の公立文化施設実態調査」(*3)の結果について報告が行われました。指定管理者制度導入後初めての本格的な調査だけに、各地の公立ホールの現状について参加者は熱心に耳を傾けていました。
 また、今回のフェスティバルでは、自治体の文化行政担当者の方々もプレゼンテーションやセミナーに参加していただけるよう、これまで全国6ブロックで実施してきた「ブロックラボ」を「都道府県・政令指定都市文化行政担当課長会議」として会期中に併せて開催しました。アウトリーチ・フォーラム事業の例などを紹介しながら都道府県の役割について考えるシンポジウムなどが企画され、また意見交換も行われました。