平成20年度ステージクラフト開催
舞台技術などの経験年数が5年程度未満の公共ホール職員を対象にした研修、
「ステージクラフト~舞台技術ワークショップ~」を、埼玉県彩の国さいたま芸術劇場にて、
6月9日~12日の4日間にわたり開催しました。
この事業は、埼玉県芸術文化振興財団との共催で毎年実施しているもので、舞台技術
(舞台、音響、照明)に関する基礎知識等について、講義・ディスカッションから舞台
づくりの実習まで実践的に学習するとともに、人材の育成と相互の交流(ネットワーク
の形成)を図るものです。
今年の実習作品は、清水邦夫作、蜷川幸雄演出、さいたまゴールドシアター出演の
『95kgと97kgのあいだ』でした。
実習に適した一部分を題材にして行う当事業は、さい芸の技術スタッフのみなさまをは
じめ、総勢79名の出演者の方々にご協力いただき、研修生が、実際に舞台・音響・照明
の基礎を一通り学んだ後、それぞれの専門に分かれ、本番の一場面を体験します。
今年は初日9日に、安全管理についてのシンポジウムが行われました。
新国立劇場の伊藤久幸さん、まつもと市民芸術館の馬場道雄さん、びわ湖ホールの押谷
征仁さんの3名と、さい芸の岩品武顕さん、そして司会進行の山海隆弘さんの5名によ
って行われ、前半は伊藤さんによる「劇場等演出空間運用ガイドライン共通篇(案)」
を基にしたレクチャーと、後半は5名による舞台の安全性について再認識させられる内
容のシンポジウムが行われました。
3日目の11日に、本公演の映像を見ながら、各技術の雰囲気をつかむレクチャーが行
われました。
最終日の本番実習では、研修生のみで、舞台・音響・照明を担当し、衣裳をつけた
79名の出演者を前に、本番さながらの緊張感の中で実習が行われました。
『95kgと97kgのあいだ』は、5月28日~6月5日に本公演を終え、その後の開催とな
りました。
関係者の多大な理解と協力の下にこの研修が可能となったものといえます。
彩の国さいたま芸術劇場関係者の皆様には、改めてお礼を申し上げます。
ご参加いただいたホールの皆様、さい芸スタッフの皆様、そしてご出演いただいた79
名の皆様、本当にありがとうございました。